迷える心に鎮めの詩を

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あらすじ

同日、同時刻、同場所にて、ひょんな事から死ぬはずだった二人は生き続け、
生き続けるはずだった二人は交通事故に遭い、死ぬ運命となった。
そんなやりきれない運命を辿った16歳の気の弱い少年と、対照的な気の強い少女。

死んだはずの二人が目にしたものは、一面の花畑と俗に三途の川と呼ばれる美しい川。
そして、その畔には和装の人物が二人立っていた。
一人はいかにも女の子という華奢な体つきをした、
それでも意志の強そうな光を宿した眸を持つ少女。
もう一人は中性的な雰囲気を纏う穏やかな、しかし憂いを帯びた微笑みを浮かべる少年。
その少年の肩には尾を九つ持った小さな小さな子狐の姿。
その二人は自分たちの事を『死神兼水先案内人』だと名乗り、
少年と少女二人の命をここへ導いたのも自分達だと言った。

しかし事前の、死神二人の上司である閻魔大王からの曖昧な指示の所為で
人違いをしてしまっていたことが判明する。

死神の二人が言うには、少年と少女が生き返るには死ぬ予定だった二人をあらゆる手を
使ってでも三途の川まで導き、狂ってしまった運命の歯車を元に戻さないと始まらないという。

そして、現実世界に戻る為の魂の容れ物――身体を手に入れる為に、
少年と少女は死神二人の凄絶な過去へと向かうことになる。

世界を超え時空を超え、少年と少女が織り成すオカルティック(?)シリアス・ファンタジー。